『100%の自分で勝負できる』ヲタ芸バトル年間王者が語る勝利の秘訣とは?【インタビュー】

2024年5月19日、東京都の初台DOORSにてヲタ芸/サイリウムダンスの祭典「RE:melt vol.3&CP Race TOUR 2023 Final」(通称:リメルト、CPレース)の2023年度の年間ランキング最終決定戦が行われた。

その年間ランキングにて総合1位を見事獲得したヲタ芸日本王者『ミクト』に、バトルで魅せるパワフルで迫力のあるヲタ芸のルーツや、今後の活動について様々な話をしていただきました。

プロフィール

ミクト

長崎県出身の2002年生まれ。ヲタ芸歴約8年

所属グループはNoXYz、BKST

[主な戦績]

  • MAN OF THE CYALUME DANCE EX アニソンサイド 優勝
  • TOKYO ROMANCE PARK 14 優勝
  • GinyuforcE CUP 優勝
  • RE:melt Osaka vol.1 優勝
  • CPレースTOUR 2023 総合優勝
  • その他多数

インタビュー

「常に新しいモノを持って挑む」

今回、年間総合優勝という結果となりましたが、率直な感想を教えてください。

総合優勝出来たことと言うよりは、今までのCPレース王者のぽくぽくさん*やゆーきちくん*達と同じ領域に並べた事が嬉しいです。

また、形として残せるので立派なウィナーボードを貰えたこともとても嬉しいです。

*ぽくぽく:2000年生まれのヲタ芸プレイヤー。元ヲタ芸チームGinyuforcEに所属し、現在はteam MoBで活動中。主な戦歴として「MAN OF THE XX U20 優勝」「CYALUME DANCE WORLD BATTLE EX 優勝」「TOKYO ROMANCE PARK 9 優勝」「CP RaceTour2020 総合優勝」などがある。

*ゆーきち:2003年生まれのヲタ芸プレイヤー。元ヲタ芸チームGinyuforcEに所属し、現在はteam MoBで活動中。主な戦歴として「NAGOYA ROMANCE PARK 2 優勝」「CP RaceTour2021 総合優勝」などがある。

今回の最終戦にあたってどのような心構えで挑みましたか?

普段からの積み重ねなので、最終戦だからといって何か特別なことをしたわけではなくいつも通りにバトルに挑みました。

また、今回は自分で選曲してパフォーマンスをする一次ラウンドってのがあって普段のバトルにはない部分だったので、そこの内容は前もって決めていました。

でも、当日はサイリがうまく焚けずにムーブが飛んでしまったことが悔しいです。

自身のヲタ芸の強みはなんだと思いますか?

僕はなんでも出来るオールラウンダーマンを目指していて、基本技やトーチ技など広い範囲の武器を持っているだけでなくその全てが平均以上であるように練習しています。

バトルにおいてなんでも出来るということはどんな相手にでも太刀打ちできる強みだと思っていて、その上で僕は毎回新しいモノを持ってくることを意識しています。

いつも一緒だと観客も審査員も飽きてしまうので、初披露の技を持ってきて尚且つハイクオリティになるように仕上げ、今までやってきた技もただやるだけでなく意外性のあるアレンジを加えています。

今まで自分がやってきたことを存分に見せつつ変化を加えていくのがミクトならではのヲタ芸スタイルで、そこが勝因なのかなって思います。

「やりたいことも癖も100%の自分を出せる」

一年間戦い抜いたミクトさんにとってのバトル文化の魅力とはどんな部分だと思いますか?

今はチームを組んで動画を撮ったりショーケースに出たりと構成芸*が流行っていて自分というものを存分に出す環境は少ないのかなって思います。

その中で自分のやりたいことも癖も100%出して勝負できるのがバトルの出る側としての面白いところだと思います。

見る側的には、大会ごとに出場する人もバトラーが何をやるかも変わるし、動画でしか知らない有名な打ち師が勝負してる所も見れたりするので「この人とこの人のバトルやばっ!!」みたいなその時々しかない一発勝負を楽しめるのも魅力の一つだと思いますね。

*構成芸:複数人で振付を揃えることに注力したヲタ芸スタイル

ミクトさんは今回のCPレースの全大会に出場していますが、最初から全大会に参加するつもりでしたか?バトルに出続けようと思ったきっかけや転機などあれば教えてください。

僕は数年前に長崎から上京したんですけど、東京に来て初めて出たCCC*って大会で全然上位に上がれなかったんですよね。

勝つ気満々だったのに「俺上がれないんや」って思って、そこで白狐さん*達にアドバイスをもらってバトルならではのヲタ芸と普段のヲタ芸の違いを教えてもらいました。

以降の大会ではアドバイスを実践してバトルで勝てるようなヲタ芸を試行錯誤していったら段々戦績も良くなって、みんなにもミクトって名前が知られるようになっていきましたね。

試行錯誤していく中で自分のずっとやってきたトーチとかの飛び道具を駆使したら勝てるかもと思って挑んだらマンオブEXやトーロマ14でようやく優勝することができたんです。

CPレースに出続けようと思ったのはそこですね。

レース出だしで1000Pt持ってるし、この暫定1位の座を維持し続けたら俺が年間1位じゃんって思って笑

*CCC:2021年6月に白狐主催で開催されたバトルイベント「CYALUME CHALLENGE CUP」の略称。同日に行われたバトルワークショップの直後に開催された。

*白狐:team MoB所属の2000年生まれのヲタ芸プレイヤー。多数バトル優勝経験があり、CPレース2020では年間総合ポイント3位を獲得。現在はヲタ芸タイムズ運営やRE:meltの企画・運営に携わっている。

きっかけはボイパ?!

ミクトさんはどのようなきっかけでヲタ芸を始めたのか教えていただけますか?

元々ボイパをやっていたんですけど、小学校高学年くらいの時に関連動画を見ていたらヲタ芸のとあるトーチ技の解説動画がでてきてそれを見たのがきっかけで始めましたね。

1人で始めたんですけど長崎でヲタ芸やってる人が全然いなくて、中学や高校ではそれぞれ10人くらい気合いで誘って一緒にヲタ芸してました笑

10人もヲタ芸プレイヤーにしたのは凄いですね笑誘った時のエピソードなどあれば教えていただけますか?

特にエピソードも無くただ気合いで誘っただけなんですよね笑

元々自己紹介とかでヲタ芸をやっていることを公表していたのでヲタ芸マンのイメージがついてたんですよ。

それで高校では文化祭で大人数でヲタ芸をしたかったので、まず同じバレー部の仲良いメンツを誘って、そっからさらに色んな友達に手当たり次第「文化祭皆でヲタ芸やろーよ!思い出作ろ!」って気合いで誘いまくったら集まりました笑

ヲタ芸に引退はない

ミクトさんにとって、ヲタ芸の好きなところやヲタ芸の良さとはどんな所ですか?

今時な感じで言うと、自分の頭で考えていたものが一つの動画作品として外に出すことができるのが魅力の一つですね。

あとは、技をやって上手くできたりバトルで勝ち上がれたら注目してもらえることが嬉しいですね。もっと見てもらえるようにヲタ芸上手くなろうって思えますし。そこから日本全国の人だけで無く世界中の人とも色んな関係性が作れるのがヲタ芸ならではの良さだと思います。

ミクトさんの今後のヲタ芸活動について教えてください。

メインはバトラーではなく動画に注力していくと思います。NoXYz*やBKST*でのチーム活動をメインにしつつ、自分のアカウントで技連などもあげていきたいですね。バトルも辞めるわけじゃないので気が向いた時にちょこちょこ出るつもりです。

仕事などもあるので主体的には動けないかもですけど、チームやナンバーでイベントとかも沢山出たいので機会があれば基本的には参加するようにしてます。

後は目標として、YouTubeアカウントのチャンネル登録者を1500人まで一旦伸ばしたいですね。乗っ取られたんですけど以前のYouTubeアカウントが登録者1500人位いたんで取り戻したいですね笑

CPレース年間王者になれたので今度はジャッジもやってみたいです。

*NoXYz:2002年生まれの同世代メインで結成されたヲタ芸グループ。

*BKST:正式名称「僕の考えた最強のトーチ軍団」。ヲタ芸のパイオニアチームGinyuforcEに所属していたらてがトーチ技の上手なメンバーを有志で募ったユニット。

長いスパンで考えた時に、ミクトさんも現役を引退するタイミングなどくるかもしれないですし、ヲタ芸とどのようにかかわり続けたいと思っていますか?

個人的にはヲタ芸引退はないと思ってます。やりたい時にやって、やんない時はやんないだけなんで笑

忙しいとかでやらなくなる期間はあるかもしれないですけど、やめようと思ってやめれるものでもないし、もう生活の一部ですからね笑

体が今より全然動かなくなってもイベントとかバンバンいきたいですし、ヲタ芸でできた友達も普通に友達なので会いにいってヲタ芸したりと、これからもヲタ芸界に関わり続けたいですね。

まとめ

今回はCP Race TOUR 2023で見事総合優勝を果たした「ミクト」さんにインタビューさせていただきました。

バトルだけでなく多種多様な側面からヲタ芸を楽しむミクトさんならではの興味深いお話を沢山聞くことができました!

ヲタ芸引退はないと宣言したミクトさんが今後どのような活躍を残していくのか要注目です!

Photos by mocha. (@mo_42_9)

この記事を書いた人

I-Jack

I-Jack

元ヲタ芸チームJKz/GinyuforcE所属、現在はteamMoBにて活動中
現在はヲタ芸のワークショップ、ナンバー講師*、ヲタ芸イベント「RE:melt」運営、映像制作、バトル審査員など幅広く活動し、日本発祥のサブカルチャーとしてヲタ芸文化の発信に注力しています。
・大会優勝歴
CPレースTOUR2020 FINAL 優勝
CPレースTOUR2020 年間2位
MAN OF THE CYALUME DANCE NAGOYA 優勝(2020) その他多数優勝経験あり

ルミカ公式ペンライト

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