【RAB(リアルアキバボーイズ)涼宮あつき】アニソンダンスのパイオニアに聞く!ヲタ芸/サイリウムダンスの未来とは?

アニソンダンスバトル(通称:A-POP)界のパイオニア、オタクでありダンサーの『涼宮あつき』氏をお招きし、様々なお話を聞かせていただきました。

プロフィール

涼宮あつき氏
Twitter
https://twitter.com/atsuki_suzumiya

YouTube(RAB)

数々のダンスバトルで優勝するなど、実力のあるブレイクダンサー。
ダンスパフォーマンスチーム RAB(リアルアキバボーイズ)所属。
主にアニメソングやボーカロイド、VTuber等の曲に合わせたブレイクダンスの動画投稿やライブ活動などを行っている。

アニソンオンリーで行われるダンスイベント『あきばっか~の(https://akibaccano.jp/)』を主催し、
A-POPと呼ばれるアニソンダンスバトルのパイオニア的存在。

インタビュー

きっかけはテレビで見たブレイクダンス

ダンスを始めたキッカケを教えてください

13歳の時に、テレビを見ていたらお笑い芸人のナインティナイン岡村隆史さんがブレイクダンスしてるのを見て「カッコいい、自分もやりたい!」と思い始めました。

では、オタクになったキッカケは?

涼宮ハルヒの憂鬱ですね。
元々アニメは好きだったけどハルヒに出会って完全にオタクになりました。
ハルヒは萌えアニメを一般的にした先駆けでオタク業界の転機だと思っていて、涼宮あつきという名前になったのも本名の“あつき”と“ハルヒ”でちょうどよく韻を踏んでたからなんです。

RABメンバーけいたんからの誘い

RABはどうやって始まったんですか?

ブレイクダンスもアニメも超好きで周りに言っていたらRABのメンバー“けいたん”が「静岡にアニメとブレイクダンス好きなやつがいるらしい」というのを知って「アニメオタクを集めたダンスチームを作ろうと思ってるんだけど入らないか?」と誘われ19歳のときに入りました。
アニソンでショーケースしたりバトルに出たりするゆるーいチームでしたね。

現在パフォーマーとして活動されてますが、何が転機になったんですか?

2011年にスタードラフト会議からオファーが来て、そこからプロとしてやっていこうというマインドに切り替わりました。
最初は「リアル“A”ボーイ」の略で「RAB」だったんですけど、番組に出演する時に「RAB」では分かりづらいと思い「リアル“アキバ”ボーイズ」に名前を変えました。
当初の「A」は「アニメ」や「秋葉原」の頭文字というのと、「B-BOY」(ブレイクダンサーのことを称したスラング)の「B」の逆という二つの意味を持っていました。

その二つを合わせた「AB-BOY」という言葉もここから生まれました。

A-POPダンスバトルの始まり“AB-BOY PARK”

A-POPダンスバトルを始めたキッカケは?

RABの後輩的なチーム(江戸川アンダーザブリッジ)が『AB-BOY PARK』というアニソンダンスバトルメインのイベントをやっていて、
一緒にやろうと誘われたのが始まりですね。

がっつりアニソンダンスメインのイベントはこれが初だと思います。
そこにRABがMCやDJやジャッジとして関わっていました。

現在あつき氏は様々なA-POPバトルを主催されていますが、どのようなビジョンを持って始めたものなのでしょうか?

AB-BOY PARKは3回目の時にものすごい盛り上がりだったんですけど江戸川アンダーザブリッジのメンバーが社会人になるということで一旦休止になってしまったんです。
そこで、A-POPシーンの盛り上がりをここで止めてしまうのはもったいないなと思って自分で作ったのが「あきばっか~の」です。

自分はコミカルなダンススタイルでやってきたんですけど、
それが受け入れてもらえず箸にも棒にもかからない時があって…それが嫌だったのでA-POPは全てを受け入れる場所にしようと思いました。

過去には実際にサンバやフリップ芸で予選通過した人もいるし、みんな素直に踊ってるだけなんです。

(アニソン2on2ダンスバトル『あきばっか~の』の様子)

APOPダンスバトルの今後のビジョンはありますか

ダンスをやってない人も知ってる当たり前のものにしていきたいです。

例えばボウリングみたいな。
ボウリングって玉を転がしてピンを倒すよくわからない娯楽だけどあって当たり前だしみんな知っているじゃないですか。
そんなものにしていきたいです。

あとカルチャーにしていく上でかっこいい方が広まるなと思うので、アニソンダンスバトルから「A-POPダンスバトル」という言い方に変えたんです。
そうやって世間にもっと浸透させていきたいです。

今のA-POPシーンはAB-BOY PARKにも負けない盛り上がりがあると自信を持っていて、ここに人生かける奴もいて自分はそういう子たちをすごく魅力的に感じるしセンスの塊だからこんなやつらがいるんだよ!って世の中に押し上げていきたいです。

ヲタ芸に人生をかけてもいい

ヲタ芸を初めて見たのはいつですか?

ギニュ~特戦隊(現:GinyuforcE)と現場が同じになることが多くて、ヲタ芸パフォーマンスは何回か観たことがありました。
ヲタ芸バトルを初めて見たのは「GOLD RUSH」のバトル審査員をさせてもらった時です。

<補足>
GOLD RUSHとは
第6回TOKYO ROMANCE PARKで行われたヲタ芸バトルイベント。
ギア、ペリカンなどの実力者と、過去のバトルイベント優勝者で競い、当時最強のヲタ芸プレイヤーを決めるイベントとして開催された。
ゲスト審査員として涼宮あつき氏も参加した。

ヲタ芸バトルイベントを見て、どう思いました?
すごく熱量を感じて、ヲタ芸に人生を賭けてもいいんだなと思いました。
墓にもっていっても恥ずかしくない、誇っていいものだと思います。

ヲタ芸はA-POPバトルと近いと思ってます。辿っているルーツとか。
最初はヲタ芸って言うくらいだからパフォーマンスというよりは誰かを応援するためにできた芸ですよね。
オタクの自己満足の文化というか…周りから見るとクスッってなるようなものだったと思います。

でも今は確実にかっこいいものになってきてると感じてます。

好きを体で表現できるって幸せな事

A-POPシーンで活躍するあつきさんから見て、ヲタ芸は今後どうなっていくように見えますか?

どんな文化にも言える事ですが、見た目はお金になっていても熱量がないとうまくいかないと思っています。
でも、ヲタ芸バトルを見たとき凄い熱量を感じてこの文化は大丈夫だと思いました。

ヲタ芸はこれからもっと進化して、今では想像も出来なかった凄い事になると思っています。

最後に「オタク」「表現者」という二つに意味で共通点のあるヲタ芸をやっている人達に一言お願いします!

俺達って幸せなことをやってるなと思うんですよ。
ただのオタクだったら好きの気持ちを示す手段って限られてるけどそれを体で表現できるってめっちゃ幸せな事だと思います。

ヲタ芸はかっこいいダンスだと思うし、胸を張っていいことだと思います!
これからも応援しています!

まとめ

「ダンス」「ヲタク」という二つの共通点から様々なお話をしていただきました。

個人的にA-POPダンスバトルが好きで何度かイベントへ行ったこともあるのですが、熱量が本当に凄くて毎回沢山のドラマが生まれて、涙なしには見れないイベントです。
「ヲタ芸もこんなカルチャーにしていきたい!」と思っていました。

最近のヲタ芸シーンには僕がA-POPダンスバトルを見た時と似たような熱量があると思います。
もっと大きなカルチャーになると僕も確信しています。

ルミカ公式ペンライト

お問い合わせ・ご相談はこちら

ヲタ芸タイムズは、ヲタ芸好きのための情報メディアサイトです。
記事のリクエスト、ご要望などご気軽にお問い合わせください。