【ルミカ】サイリウムメーカーの偉い人にヲタ芸をどう思ってるか聞いてみた。【インタビュー】
昨年から開催されているヲタ芸/サイリウムダンスの世界大会「Cyalume Dance World Battle」を主催している株式会社ルミカ(https://www.lumica.co.jp/)の取締役:小室雄一氏をお招きしてインタビューを行いました。
プロフィール・経歴
株式会社ルミカってどんな会社ですか?
一言でいうと、ケミカルライトを作っている会社の中で一番古い歴史を持っている会社で、創業41年になります。
ケミカルライトは1960年代のアポロ計画で生まれたもので、宇宙開発や軍事用に作られました。それを小型化して釣り具用のライトとして商品化したのがルミカのルーツです。
サイリウムの歴史自体は古いですが、折って光らせるという基本は変わっていません。
今のルミカの仕事はケミカルライトやペンライトの製造・販売がメインとなっています。
小室さんってどんな経歴があるんですか?
以前は建築系の内装やイベントの会場設計の仕事をしていました。
デザインや企画のスタッフとしてルミカに参画し、24年ほど勤めています。
今はどんなお仕事をなさっているんですか?
常務として経営をしつつ、楽しいことをするのが好きなので海外の事業に携わっています。
国際事業部の事業部長として、海外の展示会や海外の工場経営についても責任を持っています。
インタビュー
もともとはネガティブなイメージだった。
ヲタ芸という文化はどのように知ったのでしょうか?
アイドルの応援でファンの子たちが光振り回してやってるイメージで、もともとはネガティブなイメージをもっていました。
やっぱりそうなんですね。現在ではルミカさんはGinyuforcEを始めとするチームへの活動協賛など、ヲタ芸業界への支援を行っていますが、どのようにしてそれは始まったのでしょうか?
YouTubeを観たら自分が持っていたイメージと全く違うパフォーマンスをしていて面白いなと思ったし、実際に会ってみてすごく熱意を感じて、応援してやらなければならないという気持ちになりました。
企業としての利益というよりは、ユーザーの幸せのためというところが強かったです。
ヲタ芸に出会って「これだ!」と思った。
なるほど。さらにルミカさんと言えば昨年からヲタ芸の世界大会、Cyalume Dance World Battle、通称CDWBを主催していますが、これをやろうと思ったきっかけを教えて下さい。
頑張ってる人たちをサポートしてあげたいという一心です。
ルミカが海外の展示会に出展するようになったのはヲタ芸に協賛する2年ほど前からで、以前は普通にペンライトを売っているだけでした。
せっかくなら何か面白いことをしたい・海外の人に日本のカルチャーをもっと紹介したいと思っていた時、ギニュ~に会って「これだ!」と思いました。
ルミカさんは世界各国で展示会に参加しながら世界大会を行っていますが、それによって変わったことはございますか?
ルミカファンが増えているというのはどこに行ってもすごく感じます。
同じ国への出展が2回目3回目になると待ってくれているファンがいるんです。
確実に回数を重ねるごとに増えているんです。ステッカーなどを喜んで持って帰ってくれるのは嬉しいですね。
今年の1月に第1回のCDWBが終了しましたが、世界大会を実施しながら感じたことを教えてほしいです。
一番印象に残っているのは、今年の香港・台北大会で去年の準優勝者が優勝したことです。
悔しくて練習したんだろうなというのがわかります。
CDWBというものが彼らの中で目標になっていて、そのために1年間練習してきたんだろうなというのはとても嬉しいです。
海外カルチャーとの融合を見たい。
今年度に行われる第2回CDWBに期待することはありますか?
海外の各カルチャーと融合・化学反応を起こして全く見たことのない技とかが出てきたら嬉しいです。
この文化が更に進化したらいいなと思います。
今年度の開催で注目している国はありますか?
上海は期待しています。
去年のレベルもすごく高かったので。
また、台北のレベルアップは驚きました。
これからまだまだ練習を積んでレベルが上がってくれるのかなと期待しています。
野球やサッカーのようになってほしい。
ルミカさんは、このCDWBにどんな思いを持っているのでしょうか?今後のビジョンを教えて頂きたいです。
ヲタ芸をやる人たちにとって頑張る目標になれればいいなと思っています。
それによって競技人口を増やしていきたいし、単純にヲタ芸ではなくて競技として認められるような大会になってほしいです。
数年経ったときに、この大会の卒業生がヲタ芸で飯食えるくらいになってほしいです。
CDWB以外で、今後ヲタ芸業界に対してやっていきたいこと、期待していることはありますか?
プロのプレイヤーが出てきてほしいです。
それに対して我々でできることはサポートしていきたいと思っていて、小学生や中学生から「自分もあんなふうになりたい!」と尊敬されるような存在になったらいいなと思います。
ヲタ芸はスポーツ・競技として認められていいものだと思っています。
将来的に野球やサッカーみたいな立ち位置になってほしいです。
なるほど。そうなったら本当に嬉しいですね。
同じ日本人として誇らしい。
では最後に、ヲタ芸タイムズを読んでいる打ち師に一言お願いします!
現在1年間で世界を10都市以上回っていますが、ヲタ芸をやっている皆さんの活動ってすごく誇らしいものだと感じています。
これだけ海外でヲタ芸に対して「カッコイイ」「クール」と感じてくれている人がいます。
それは日本の現役の子たちが作ってきたことだし、同じ日本人として誇らしいです。
ルミカとしてはもっと応援したいと思っていますので、これからも頑張っていってください。
まとめ
ルミカの商品を使っているユーザーとして打ち師を応援したいという気持ちが芯にあるんだなと感じました。
今回は小室さんに様々なことをお伺いしましたが、
「競技化」「子供が目指すもの」というワードが出てきたのが印象的です。
数年前だったら思いつきもしなかったことですが、
CDWBを始めとするヲタ芸/サイリウムダンスの世界的な盛り上がりを見ていると、もしかしたら本当に実現してしまうのではないかと思わされます。
株式会社ルミカの描くヲタ芸のこれからに、今後も目が釘付けです。